背景と概要
CDMA
2.2 CDMAと符号
 まず今現在CDMA方式でどのような符号が使用されているのか紹介します。
Walsh符号
 アダマール変換によって生成される互いに直交した符号の集合。 直交とは符号間の干渉がまったくない理想的な関係(つまり誤りが起こらない)を指します。 ただし直交性が保たれるのは符合間の位相差が0の場合(同期状態)に限られます(図3(2))。 基地局から移動機への送信(下り)においては各チャネルで使用される符号同士を同期させているので, 直交符号を用いた場合、 MAIの影響を無視でき、 誤りは起こりません。
図3. CDMA用符号の概念図
  


カオス符号
 移動機から基地局への上り通信では、 各ユーザはランダムにアクセスを行うので、 一般的に同期をとることが難しい(非同期通信、 図3(1))ので、 MAI=0という下りのような理想的な状態は維持できません。 そこでできるだけMAIを抑える事が重要であり、それは符号の性質である自己相関と相互相関に依存します。
 上り通信で現在考えられている符号の中で最もビット誤り率を抑えることができるとされている符号として、 一次元カオス写像から生成される負の自己相関を有する
カオス符号があります。

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応用
まとめ