背景と概要
CDMA
O.V.C.S.C
4.OVCSCの応用
 ここではより高速なマルチメディア通信を実現するために、 OVCS符号を使った通信方式について説明します。
 OVCS符号の使用条件を以下に示します。
 
@ 非同期状態である上り用に用いる。
A 一人のユーザにOVCS符号のセットを割り当てる。
B 複数のデータをそれぞれの拡散符号で拡散させ、多重させる。
C 送信信号の電力制御を行い送信させる。
 
 まずOVCS符号はカオス符号の性質をもっているため
他ユーザへの信号に与える干渉が少ないといったメリットがあります。
 そしてユーザは、 複数の品質の異なるデータ用にそれぞれ割り当てられたOVCS符号によってデータの拡散変調を行わせます。 そしてそれぞれの信号を多重して送信を行わせることによって、 
異なるデータの同時送信が可能となります。
 ユーザがもつ複数の拡散信号の同期は当然確立されるので、 OVCS符号の直交性により多重しても干渉は問題となりませし、 異なるビットレートのデータ同士(符号長が異なっても)でも当然
干渉は起こりません
  
 具体的な応用例としてユーザAがTV電話で会話をしていたとします。
 ユーザAには音声用のOVCS符号と動画像データ用のOVCS符号を用意しておきます。
 図はOVCS符号割り当ての具体例を示しており、 ここでは高速さが要求される動画データに割り当てる符号長を音声用の半分に設定し、 音声の2倍のビットレートで送信させ、 なおかつ多重して1本のデータとして送信しています。
 
 ちなみに、 次世代通信方式として提案されている
cdma2000 3xはデータ用と音声用に搬送波を別に用意して上記のような同時通信を実現します。
 しかしながらそれに伴う回路の複雑化等が問題であり今現在実用化には至っていません。
 今回提案したOVCS符号は
現行のCDMA方式に適用させるだけで、 高速マルチメディア通信が実現できるというところも大きなメリットと言えます。
応用
まとめ