今月の学習会は熊本市都心活性推進課技術主幹・永野康裕さんに「桜町・花畑周辺地区の整備」について、2019年竣工を目指して工事が進められている再開発事業と一体をなすシンボルプロムナード一帯の整備についてお話を聞き、意見交換を行いました。
1.永野さん講演
(1)桜町花畑周辺地区の目指すべき姿
歴史を振り返る3つの絵。1) 加藤家から細川家に引き継がれたお花畑の絵図。2) 熊本城下のジオラマ。3) 参勤交代の絵図。この地区の歴史を振り返り計画に反映させる。例えばシンボルプロムナードは、かつての参勤交代のルートであり、広小路では、お出迎え等が行われるハレの場であった。熊本城と庭続き/街の大広間というコンセプトには、そのような歴史的な背景も含まれている。
(2)再開発施設の概要(敷地面積約3万㎡、延べ床面積約16万㎡)
①熊本城ホールは保留床として3万㎡を市が208億円で取得。
1) メインホール2,300の固定席。
2) 会議室 2,000 ㎡、25~300 ㎡の大小 19 室。
3) 2階シビックホール 750 席。
4) 1階、天井高m、1,700㎡の平土間にもなるイベントホール。全体として3,000人規模の学会に対応可能。
②バスセンター
③商業施設
④ホテル
⑤住宅
⑥屋上庭園-テラス
⑥コンコースは2階。タクシー回しやタクシープールも2階。
(3)オープンスペース(シンボルプロムナード+公園・広場)整備の概要と使い方イメージ
①風格の間-緑の間(花畑公園とその前)-賑わいの間(花畑広場とその前)-くつろぎの間(辛島公園)
②現在花畑(暫定)広場で数々の社会実験を行いながら、マネジメントができる体制を整えつつある。
③年間 140万人の集客は、元あった産文会館よりも多い。
2.質疑・意見交換 (Q:質問・提案、A:回答・意見)
Q.もっとダイナミックな水の演出はできないのか?
A.規模のデカさよりむしろ質の高い演出を狙うことも重要(水琴窟のような)
Q.歴史的事実を共有できるような大きなパネルは設置できないか?
A.スマホ等を活用したサービスは視野にある
Q.再開発ビルで完結してしまうと周辺への波及効果が弱くなる、ハコモノはまちづくりの観点からはマイナス。
A.オープンスペースの賑わいにつなぎ電車通りを越えて商店街への回遊を誘う。バスターミナルの交通拠点性を活かして中心部への導入口として機能強化を強めたい。
Q.西銀座通りからの動線を強化すべきではないか。
A.城見町通り、銀座通り等の肋骨道路も強化すべき。
文責:富士川一裕(工房研究員)
【参照リンク】
学習会チラシ(PDF)