活動

第92回学習会(平成25年11月28日)

住民参加とまちづくり                講師:佐谷 和江氏 (株)計画技術研究所 代表取締役

「CPUの高性能化」

 

11月の学習会は、日本の住民参加型まちづくりをリードしてきた老舗コンサルタント、㈱計画技術研究所代表取締役の佐谷和江氏を迎え、「住民参加の理論と実践」をテーマに事例紹介と意見交換。 裁判員制度ではないけれど、一般市民が都市計画などの行政の意思決定に関わる仕組みが必要である。しかし、そこに参加する市民に計画立案作業の経験がなければ、住民参加の効果は限定的だ。住民参加を効果あるものとするには、人材育成が重要である。その点、佐谷氏が講師を務める東京の江戸川区で実施されている「江戸川総合人生大学」はよい参考となる。ここでは、公募市民が受講料を払って(年間3万円)、まちづくりの調査や計画立案・提言の練習をするそうだ。“大学”と名がついているだけあって、きちんとレポートを書いて無事卒業となる。卒業生は、区の様々な計画立案の委員などになり、活躍の機会がある。熊本でも、社会人講座としての類似の講座がいくつも開催されており、私もその講師を務めたことがあるが、受講者の皆さんは皆熱心だ。この際、熊本にも「(仮称)熊本総合人生大学(佐谷氏提案)」をつくるとよい。市民が計画立案の技術を学び、Community Planning Unit(市民による計画づくりユニット)を作る。アイドル歌手のユニットのように様々な個性あるユニットができるとよい。例えば、健康づくりユニット、子育てユニット、統計ユニットなど、今ある行政の課の名前を冠し、その分野の法定計画策定に恒常的に関わる市民ユニットを作る。市民が5年も続けてユニットに参加すれば、3年程度で異動していく行政職員よりも、その分野のことがよく分かるようになるんじゃないか?パソコンもまちづくりも、CPUの性能で勝負だ。

文責:前田(工房研究員20131128)

【参照リンク】
佐谷氏のブログ まち活やろうよ
学習会チラシ(PDF)

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