活動

第91回学習会(平成25年10月24日)

未来商店街の今までとこれから 

「商店街をつくる」

 

10月の学習会は、岩手県陸前高田市で「陸前高田未来商店街」の事務局をされている黒田征太郎氏を迎え、復興途中にある陸前高田市の状況を聞いた。
東日本大震災の後、陸前高田市では高台に5つの商店街ができているそうだ。未来商店街は、その中でも最も新しく今年3月にオープンしたもので、11の店舗からなる。黒田氏は現在27歳。東京での会社勤めを辞め陸前高田に赴き、今は未来商店街に雇用されている。就業に至る詳細は割愛するが、震災後のボランティア活動がきっかけだったそうだ
熊本で商店街と言えば子飼商店街が思い浮かぶ。個人的に商店街の組合員との付き合いも多い。陸前高田市においても、震災前には同じように商店街があった。未来商店街は、その商店街組合がそのまま新しい場所で商売を再開したものと思っていたが、違う。多くの商店街で組合員が被災し、亡くなられて、組合の基礎がないのだ。そうした事情で、未来商店街には、震災を機に商売を始めた人も出店しているそうだ。
未来商店街では、店の自立経営、地域の雇用創出、住民の集まる場をつくる、地域の暮らしを守る、の4つを理念として掲げている。これは、どの商店街もあてはまることだが、陸前高田市では、ゼロからこれを創っていかねばならない。土地のかさ上げ工事も未完成で今後の都市整備も見えない中では、大変なことである。黒田氏は、「商店街づくりは、まちづくりである」と言われた。「商店街は、単なる店の寄せ集めではなく、そこで各店が協力して自らの生活と地域の人の生活の一切をつくっていかねばならない」との言葉には重みがあった。

文責:前田(工房研究員20131024)

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