活動

第86回学習会(平成25年5月23日)

中央区のまちづくりについて:熊本市中央区長 前渕啓子氏

「まちづくりのOSとCPU」

 熊本市は、昨年、平成24年の4月1日に政令市になった。まだ1年とちょっとしか経っていないのだが、政令市移行はすいぶん昔の出来事だったような気がする。 同感だ、という市民は結構多い。政令市になり5つの区役所が設置されたが、さて、熊本のまちづくりは、これからどうなっていくのだろう。・・ということで、 5月のまちづくり学習会では、3月にできたばかりの「熊本市中央区まちづくりビジョン」について、前渕啓子中央区長から説明していただいた。
 「新たな出会いと未来創造の都会(まち)~つながる、中央区。~」が区のまちづくりのキャッチフレーズである。主として、市民によるまちづくり活動の方針を示したものであるが、 熊本城、中心商店街、交通センター、各種文化施設、行政・業務機能が集中する区であるから、キャチフレーズ通り、中央区の果たす役割は大きい。そのまちのビジョンづくりにおいて、 今回は最初から住民参加を徹底したことが注目される。住民アンケート(3千人)や有識者への聞き取り調査、住民ワークショップ、児童の絵画コンクール、 素案を市民に見てもらうためのオープンハウスやシンポジウムの開催を通して、区役所職員と様々な市民が協働した。その量と質において、これほど充実した住民参加はあまり例のないことだろう。 現在区では、市民からまちづくり事業のアイデアや区のシンボルマークのデザイン案とともに、まちづくりの推進について話し合う「懇話会」の市民委員を募集している。 これから先、行政と市民の協働が加速するだろう。そのとき、まちづくり活動に関する市民の計画立案力(plan)と遂行力(promote)を高めるとともに、その力を市全体のまちづくりに組み込み、 機能させる効果的な仕組み(=パソコンのOSのような)が重要になる。Community Planning Unit、またはCommunity Processing Unitとでもいうべき市民組織、 それと協働する行政の仕組みや制度(OS)の不断のバージョンアップが求められる。そういう時代だと思う。
文責:前田(工房研究員 20130524)

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