活動

第76回学習会(平成24年5月24日)

専門知識を教えて消費者とコミュニケーション:「岡崎まちゼミの会」代表 松井洋一郎氏

「学ぶ力のリフレッシュ」  

5月の「まちづくり学習会」は、商店街活性化の切り札として注目されている「得する街のゼミナール」の本家本元、 愛知県岡崎市から「岡崎まちゼミの会」代表の松井洋一郎氏においでいただいた。まちゼミは、商店街の各店が先生役になり、 2~10人程度の市民を生徒に1,2時間の手作り授業をするもの。例えば、韓国料理レストランでタクテキの作り方を教えたり、 化粧品店でメイクの仕方を教えたり、洋服屋で就活スーツの着こなしを教えたり、化粧品店と洋服屋がコラボして “市民をもっときれいにする”講座をするなど。受講料はタダ(材料費はとる)、その日は販売をしない、場所は各店、が基本。 1ケ月半を開催期間とし、期間中様々な講座が開講される。その内容を一覧にしたタブロイド版サイズのフルカラー新聞折り込みチラシを出して告知する。 平成24年1~3月の第24回ゼミでは、450講座、受講者延べ2000人を数えている。開講する店は100店以上。
松井氏によれば、まちゼミは漢方薬のようにジワジワと店の体力を強め、商店街全体を活性化していくとのこと。例えば、 氏の店も90年4代続く化粧品店で、ゼミをすることで毎月15人の新規顧客の開拓につながっているという。郊外に大型ショッピングモールができ、 通行客が激減している中での話だからすごい。売上直結の即効性を求めず、「三方よし(店よし、客よし、世間よし)」を具現化する商店街活性化手法だ。 私はこれを、「学ぶ力を定期的にリフレッシュする」システムと見た。学ぶことを尊ぶことができない組織や地域は活性化しないと思う。 子どもは知りたがりで壊したがりの、好奇心と学ぶ力の塊だから新しいものを学習して環境変化に対応していける。ところが歳をとれば、 スマホもテレビのリモコンも覚えるのが億劫になってくる。人も、組織も地域も、学ぶ力を衰えさせてはいけない。岡崎市では、ゼミの後“反省をしない” 反省会を開き、知識、ノウハウ、教訓を商店主同士が共有する場があり、これが一番重視されている。そう、商売人の勉強というものはこうでなくちゃ。 まちゼミ、熊本でも是非やってみたい。(なお、今回は、熊本商工会議所の共催により、市内の商店街等に広く呼びかけ通常に倍する約60人の参加があった。 会場は「くまもと県民交流館パレア」。)
文責:前田(工房研究員20120524)

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