活動

第150回学習会(令和元年10月31日)

SAKURA MACHI Kumamotoをまちなか回遊促進につなげる手がかりをつかむ
-中心市街地における来訪者の回遊行動調査-

話題提供:溝上 章志(まちなか工房代表)

 

 びぷれすイノベーションスタジオでの初めての開催となった定例学習会は、経産省の地域まちなか活性化・魅力創出支援事業費補助金(中心市街地活性化支援事業)を使って、すきたい熊本協議会が熊本大学まちなか工房と共同で実施する、中心市街地における回遊行動の実態調査について、まちなか工房代表の溝上教授が話題提供を行った。
 以下は溝上教授の説明と参加者の意見。題して-SAKURAMACHI KUMAMOTO をまちなか回遊行動につなげる手がかりをつかむ-

◆過去2回、本丸御殿完成の 2008 年と九州新幹線全線開通の 2011 年に今回と同様の歩行者回遊行動調査を行っている。その調査結果からは、熊本城への入込数は多いが花畑町の電車通りで回遊が途切れ、谷のようになっていることなどがわかっている。

◆今回は10月26日(土)に通行量調査、27日(日)に回遊行動調査を実施した。回遊行動調査は、街への出入り口となる駐車場、駐輪場、バスターミナル、市電電停など20箇所で800人の人にインタビュー調査を行った。今後の集計で、来街者がどこに立ち寄りどれだけの時間滞在し、いくら消費したかという回遊行動がわかる。街に入ってから出るまでの 800人の回遊行動から回遊の法則性を見つけモデル化することで、来街者全員の回遊行動を予測することになる。この予測する仕組みを「回遊行動モデル」と呼ぶが、この回遊モデルは中心市街地の回遊の原因すなわち施設や空間構成、ルートとなる歩道の条件等とその結果である回遊行動の因果関係を明らかにするものである。このモデルによって SAKURAMACHI KUMAMOTO 開業後の中心市街地のなかでの回遊行動を推定することができる。さらに、歩道の条件や施設配置の条件を変えることで回遊行動がどう変わるのかということを予測することもできる。活性化策の有効性を予測するために活用していただければと思う。皆さんのご意見やご質問をいただきたい。

Q. 下通ではアーケード下を歩く歩行者の数を 24 時間自動計測している。日曜は 14 時がピークだが平日は夜 7-8 時がピークである。夜の回遊行動はわからないのか。
Q. 予測できるモデルを活用した商店街の活性化策の提案を期待したい。(下通商店街)
Q. ネット販売を利用するようになり街では買物しなくなっている。食べることは変わらないので飲食は持続可能。購買力のある菊陽エリアの住民は光の森が吸引しているが、SAKURAMACHI 効果はあったのか?(田崎市場卸商の方)
Q. 商店街の強みは何か?調査結果でも明らかにしてほしい。(学園大 4 年生)

文責:冨士川一裕(工房研究員)

【参照リンク】
学習会チラシ(PDF)

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