活動

第90回学習会(平成25年9月26日)

『ありふれた奇跡をみんなで起こす』 ―10の課題と10の提案― 

「まちなかで学ぶ」教育を改めて考えた

 

去る9月8日(日)、9日(月)の2日間、熊本市中心市街地をフィールドに、建築学会九州支部都市計画セミナーが開催された。夏休みの恒例行事で、九州の大学、高専で建築や都市計画を学ぶ学生たちが集まり、まちづくり提案をする。今年は熊大が幹事校となり、まちなか工房が共催した。他校から約100名の学生、それに教職員、地元のまちづくりのキーパーソンなどを加え総勢150人が参加した。学生たちは、概ね10人×10チームに分かれ(大学混成)、チームに割り当てられた地区を見て回り、キーパーソンから与えられた課題に答えるべく、短時間で提案を作り上げた。
9月の工房まちづくり学習会では、このセミナーの概要を紹介し、学生の提案内容を発表した。発表者は、建築学科の大西康伸先生とチーム担当の10人の学生。セミナー当日学生たちに与えられた課題は、「アーティストの目でまちづくりの課題を発見せよ」「古町の一町一寺の町割りのお寺の活用を考えよ」などであった。「お寺での“寺婚”」「新市街のアーケード内の路面を芝生にし、せせらぎを造る」「鉄道高架下を一新小学校の校庭と一体利用することで、雨天時にも対応可能で地域にも開放されたイベントスペースとする案」といった面白い提案が紹介された。学習会の参加者から学生に対し、「せっかくの提案をこれで終わらせるのはもったいない。さらに議論し、より具体的なものへと提案を発展させてほしい」という趣旨の意見があり、具体的なアドバイスもいただいた。・・・建築や都市計画に限らず、何かを企画する人には、まず皆に見てもらえるレベルを満たすコンセプト図を短時間で作成する能力が重要だ。学生たちが、このセミナーを通してその力を高めることができたと、我田引水ながら、思った。キーパーソンが課題を出し、学生と一緒にまちを歩き、対話し(夜には一緒に飲み歩き)、提案が生まれる、というスタイルは、やっぱり、いい。

文責:前田(工房研究員20130927)

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