活動

第83回学習会(平成25年2月21日)

持家活用住み替えモデル事業:熊本市建築計画課 堀貴博氏、都市計画コンサルタント 河野修治氏

「活用可能な空き家」

 1000-400-34-37。順に、人-世帯-%-人の単位を付ける。熊本市南区の中緑小学校区は、高齢化率34%で、小学生は37人。 1月の学習会は、こんな少子高齢化の典型のような農村地帯で行われている「持家の住みかえモデル事業」についての事例紹介があった。 講師は、事業に取り組む熊本市建築計画課の堀貴博氏と都市計画コンサルタントの河野修治氏。
空き家は、「老朽危険空き家」「不動産市場に流通する空き家(入居者待ちの賃貸アパート等)」「活用可能な空き家」に区分することができる。 活用可能な空き家は、持ち主が高齢となり維持できなくなった場合や、死亡したが相続人が既に別の場所で暮らしているような物件で、これが事業の対象となる。 中緑校区では、10年間ほど空いた状態になっていた築50年弱の家(6DK)を家賃2万9千円で貸し出すことになった。
大掃除の後内覧会があり、9人の応募の中から、ご近所住民の総意として「小学生がいる家族」であることを重視し、入居者を決定した。 リフォームによって持ち主に経済的負担がかからないよう、できるだけそのまま使ってもらうことにしている。残された仏壇をどうするか (多くの空き家が内包する共通のハードル)など課題はあるが、やりながら考えようというスタンスである。地元の不動産業者が仲介者として参画していることがミソだ。
空き家は農村部だけでなく都市部にも多く存在し、今後さらに増加すると見込まれる。中緑の例は特異解かもしれないが、面白い。 むしろ、空き家が立地する様々なコミュニティの事情に合わせて特異解を作っていくしかないのだろう。熊本市の取り組みから、いろんな居住支援のスキームが生まれることが期待される。 

 

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