活動

第78回学習会(平成24年8月8日)

九州新幹線全盛開業で熊本都心部はどのように変化したか?~開業直後と一年後を比較して~
福岡大学都市空間情報行動研究所(FQBIC) 斎藤参郎所長ほか研究所の皆さま

「まち歩きの技能」

  8月の「まちづくり学習会」は、福岡大学都市空間情報行動研究所(FQBIC)の斎藤参郎所長ほか研究所の皆さんの研究発表。 テーマは、九州新幹線開業後の九州での人の動き、熊本市中心市街地での人の回遊行動。熊本は福岡-鹿児島の中心に位置しながらハブ機能の発揮が不十分であること。 大阪から熊本への移動は、飛行機よりも新幹線利用が増えていること。新幹線をビジネスで利用する人は増えたが、熊本市民にとっては、 これによって福岡に行く機会が特に増えたわけではないこと(ストロー効果は軽微)。熊本市中心市街地では、熊本駅周辺での人の動きが活発になっていることなどが報告された。 また、観光客消費額や中心市街地来訪者の平均消費額などの推計値の報告もあった。その後、まちなか工房代表教員の溝上彰志教授が、熊本市中心市街地の人の回遊行動調査の手法や、 回遊行動を踏まえた施設立地誘導モデルの枠組みについて発表した。
FQBICの斎藤所長は、これからは「まち歩きの技能を持った人をつくること」が大事じゃないかという指摘をされた。同じまちを歩いても、 個々の店や街並みの魅力を自分で自由に結び合わせ楽しめる人と、そうでない人では、まちで過ごす時間の価値が違うだろう、という視点である。 これに対し、まちなか工房では、「まち歩きの機能を高めた街をつくる」ことに力点を置いた研究をしていると言うことができる。福岡と熊本(経済系と都市系)の2つの研究組織がコラボすると、 これはきっとものすごく面白いことになるに違いない。
文責:前田(工房研究員20120808) 

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