●太陽熱温水器
 太陽熱の利用といえば、温水器が有名です。太陽のエネルギーを直接熱エネルギーに変換することで利用されます。日中タンクの水を温め、その温水を一日中使うことができるというものです。しかし、コスト的な問題でまだ十分に実用性にいたっていないのが現実です。
図2.太陽熱温水器に使用されるパネル
●太陽熱発電

 太陽光をあつめ、数秒という短時間で超高温のクリーンな高熱をつくりだす太陽と呼ばれる炉があります。太陽追尾用の平面鏡で太陽光をうけ、その反射光を凹面鏡で集光する方式や、平面鏡をつかわない直達方式など数方式があります。これを利用すると最高3000〜3500ーCの高温がえられます。このような高温は他の方法では発生しにくいうえ、不純物の混入がほとんどなく、また、任意の気体中の試料を加熱でき、急加熱・急冷却が可能であるため、高融点の金属、耐熱材料など高温物性の研究に利用されています。ピレネー山中のフランス国立太陽エネルギー研究所の超大型太陽炉は、側面が直径54m、焦点距離18mの放物面で、これが約130m先の1840m四方の領域に9600枚の反射鏡がある平面鏡群(63基)の反射をうけて、温度約3500ーC、1000kWを出力高温材料の開発に利用されています。私は近い将来にこの熱を利用した発電所が実用的になるのではと思います。