活動

第89回学習会(平成25年8月26日)

『鶴屋のイノベーション』  ~企業価値向上のために2012年度から取り組んでいる戦略施策について~

「次なる「光るカメさん」はどんなものだろう!!」

 

熊本県民なら、「つーるや、つーるや、ぴっかりセール♪」という入学シーズンの鶴屋百貨店のコマーシャルが口をついて出る。鶴屋百貨店が、新入生のランドセルに「光るカメさん」シールをつけて販売するのは、昭和47年にスタートしたそうで、カメさんシールが反射材となって通学時の交通事故防止に役立つ。当時は通学路を走行するトラックの数も多かったそうだ。小売業が地域密着の商品・サービスを提供することで信頼を築くというのはこういうことだろう。
 8月の学習会では、鶴屋百貨店の久我彰登社長より「鶴屋のイノベーション」について詳しく紹介していただいた。鶴屋は、創業60年を超える、熊本市中心商店街の要となっている百貨店であり、その経営戦略をトップから直接聞ける機会は貴重だった。
百貨店も、時代の変化、まちの変化に対応しながら企業自体が変わっていかねばならない。例えば、FoodyOneという食品スーパーの展開。鶴屋百貨店の古くからの顧客が高齢になり、中心市街地まで出てくるのが難しくなっている。そこで、そうした人が住んでいる郊外に、デパ地下で売るような高級路線の食材を専門に扱う店舗を出したところ、大変好評だそうだ。また、本店では昨年、東急ハンズの出店があり、若い層の顧客が増えたそうだ。また、ハンズフロアでは、マイカーの利用ができず郊外のホームセンターには行けない高齢者が必要な日用雑貨を購入することができる。顧客ニーズに対応した百貨店の変化が具現化したものだと言えよう。9月には、子どものためのフロア=KidsteriAがオープンする予定。ここが昔のデパートの屋上の遊園地と違うのは、熊本大学や祟城大学の学生のアイデアを取り入れ、斬新な趣向を凝らしている点だ。大学との連携自体が、若い人が百貨店に足を向けるきっかけになる。KidsteriAがオープンしたら、さっそく行ってみよう。

鶴屋百貨店では、従業員総参加によるTQC活動も積極的に行っているそうで、そこから次なる「光るカメさん」がいくつも生まれてきそうな勢いだ。

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