第1回 ワークショップ

まちなか工房ワークショップ技術講座2013 「人口ピラミッドで学ぶ」

 まちなか工房では、平成24年度より、まちづくりワークショップ技術講座を開始しました。大学の対社会貢献の教育プログラムとして、今年度もより充実した鋼材を開催していく予定です。内容としては、まちづくりや行政の様々な計画策定、学校教育での協同学習などにも活用できる実践的な技術の紹介とその体験研修となっています。平成25年度の第1回は、様々な計画の基礎となる人口の分析をテーマとしました。 今回の講座では、1920年から2040年(推計値)までの日本及び熊本県の5年ごとの人口ピラミッドのカード(各計24枚、1945年はデータなし)を準備し、これを年度の古い順に並べる作業をしました。カードには年号は記載されていません。まず、個々人に1920年と2040年の人口ピラミッドの形を想像して描いてもらい、どのような点に着目して並べ替えるかを考えてもらいました。その後、最初は個人の解(並び)を出した後、2~3人一組となってチーム解を出しました(3チーム編成)。個人解では、戦後は、いわゆる団塊の世代の人口が突出しているので、これを判断基準にしてほぼ正答を出すことができましたが、戦前の予想は難しく誤答が多くなりました。また、全国と熊本では人口ピラミッドの形に顕著な違いがみられ、熊本県では戦後も誤答が多くなりました。チーム解では、日本、熊本県ともほぼ正解が得られ、「三人寄れば文殊の知恵」の効果が表れました(同じ作業の繰り返しの学習効果もあるかもしれません)。事前に想像したり、あえて並べ替えの作業をしてもらうのは、受け身的に学ぶのではなく、また、他人に依存することなく自ら考え、対話し、様々な考え方に触れて知識を総合化する態度を養うことが大事だからです。 人口分析は、14歳以下(年少人口)、15~64歳(生産年齢人口)、65歳以上(高齢者)の3区分で行うことが一般的ですが、生産年齢人口の区分は現在の実態に合わず、有効な施策立案ができないと言えます。そこで、それぞれの施策目的に合うような新たな年齢区分とその分析方法を開発する必要があるという話もしました。

【参考】当日の予測分析

文責:前田(工房研究員20130616)