オーロラの動きが活発か否かは太陽表面の活動に左右される。太陽風などの太陽表面の活動によって荷電粒子が太陽から吹き出される。この荷電粒子と地球の磁場が作用し合ってオーロラができるのだ。
オーロラに影響を及ぼす太陽表面の活動
太陽風
荷電粒子の流れによってオーロラが出現するが、その荷電粒子はコロナ(太陽の大気の一番外側の層)から吹き出される。コロナは非常に熱く、摂氏100万度以上である。この高温によって水素原子が陽子(プロトン)と電子(エレクトロン)に分かれている。その結果できた、荷電粒子を帯びた気体は「プラズマ」と呼ばれ、電気伝導体である。太陽プラズマは非常に高温なため、太陽の引力に逆らって、太陽の表面からあらゆる方角へと吹き出す。このプラズマの動きを「太陽風」と呼ぶ。太陽風の強さは常に変化し、それに伴って太陽の磁場も常に形を変える。太陽風が強いと、地球からは、より明るい活発なオーロラが見られるのである。
コロナの大規模な爆発で、プラズマと、太陽の磁場線がからみあっており、太陽からの突風をまき起こす。地球と衝突すれば大変危険である。無線通信に障害をきたしたり、人工衛星を故障させたり、宇宙飛行士がスペースシャトルの外(つまり宇宙空間)に出ていた場合はその身体に危害を加える可能性があるのだ。
太陽黒点は、太陽表面に黒い小さな点として現れる。黒く見えるのは黒点の部分の方がその周囲より温度が低いためである。強烈な爆発がしばしば黒点の辺りで起こり、それによって太陽の「突風」が引き起こされる。
つまり!
太陽風が強く吹くとオーロラ・オーバルは明るくなり幅が広くなる。そうすると、空に見られるオーロラは明るく、活発な動きを見せる。見られる色も様々で普通より南でもオーロラが見える。静かなオーロラは薄緑色にしか見えないが、もっと動きの活発なオーロラはオーロラ・カーテンの「すそ」の部分がピンクに見える。非常に活動の活発なオーロラは上の部分が赤茶色に見える。オーロラ・オーバルが広がるにつれて、オーロラは通常より南の位置でも見られる。過去にも、日本、メキシコ、イラン、イタリアなどのかなり南の地域で、北の空に赤いオーロラが見られたという報告がある。非常に強力なオーロラの、かなり広範囲にわたる上の赤色の部分が見られたわけだ。