木橋をつくろう
伐って使えば森は守れる
日本の森林は荒廃している!

その理由はなに?

戦時中過度な伐採が行われたため、戦後に積極的な植林がなされた。しかし木材は成長に長期を要するため、高度成長による需給の伸びに供給が追いつかず、外材が積極的に導入されるようになった。そして今、大量に輸入される外材が日本の森林を荒廃させる結果となっている。
急峻な日本の森林では機械化が難しくコストもかかる。また産地に特化した流通体系やまとまった量を供給でにない国産材に対し、安定した品質低コストの外材が市場に好まれ、木材自給率は年々低下。現在では国内需要の8割が外材となっている。




森林大国日本の危機である。

近年では利用可能な間伐・伐採材の1/2が利用されず放棄されている。また、間伐の実施率は1/2、伐採跡地の植林は1/3にとどまっており、その傾向は小規模経営になるにしたがって顕著となる。シェアを失うにしたがって価格も低迷しており、もはや健全な林業を営めるレベルではない。日本の森林は疲弊しきっている。
日本の森林が活力を取り戻すためには、
林業の再興が不可欠である。
このままでは森林が危ない。
そのためには何をなすべきか?




人工林を守り育てるために

日本の森林の4割は人工林。そこで育つ木材が大人になるまでには35年以上が必要になる。
この間に行われる
間伐樹木の健全育成のほかにも水源涵養や生態系の維持に必要不可欠
未成熟な間伐材でも用途はかなりある。
間伐の実施のために、その用途拡大が求められている




日本の木は今が食べごろ

植林活動のピークは1954〜1960年ごろ、そのころ植林された木はこれから主伐期を迎える。国産材の需要拡大−日本の森林を守る体制は整いつつある。



COの吸収を期待するなら

スギの人工林を例にとってみると、炭素吸収速度は林齢20年ぐらいでピークを迎え、30〜40年を迎える頃から落ち込んでいる。つまり、森林にCO2の吸収を期待するならば、木が大人になる年数35年以上経過した主伐期を迎える頃の木を伐採し、再び植林というサイクルを繰り返したほうを吸収できる。




国産材の有効利用のために
森林を守るためには木を使うこと


今まで世間では森林を守るためには木を切ってはいけないという考えがあったが、そうではない。一見矛盾したようなこの方法こそ、日本の森林を守る最後の手段である。そして日本中の自治体が国産材の有効利用に積極的に乗り出し始めた。 それらの公共構造物のなかでもとりわけ数が多く、そして昔はどこにでもあったもの− 木橋 が近年脚光を浴びている。