第3回 ワークショップ

まちなか工房ワークショップ技術講座2013 「おもちゃづくりワークショップ」

 今回の講座は、おもちゃづくり。前回(7月)は絵本づくりで、今度はおもちゃ?と思われるかもしれないが、ワークショップを企画・運営する者には、おもちゃづくりは必須の技術だ。ガチガチの頭を柔らかくしてくれるし、協同作業の楽しさを教えてくれる。ワークショップのアイスブレークにも使えるし、宴会芸にもなる。
講師は、九州環境サポートセンター副理事長の宮原美智子さん。東京おもちゃ美術館で研修を受けた認定おもちゃインストラクター。紙コップや新聞紙など身の回りの物を使ったおもちゃづくりを指導していただいた。
今回やったのは、①カサを入れるビニール袋(雨の日にデパートの入口に置いてある)に絵を描き、風船のように膨らませて紙コップの中からビヨーンと飛び出すおもちゃ、②新聞紙を丸めた棒でする紙皿回し、③新聞紙を胸に当てて落ちないように走る、④新聞紙のコヨリ相撲(松葉のようにして引き合って切れた方が負け)、⑤新聞紙のボールでキャッチボールなど。新聞紙一つで、こうも色んな遊び(道具)をつくり出せるものかと驚いた。
30年前は、卒業論文も卒業設計も手書きだった。報告書に図面を切り貼りしたり、地図上の道路にラインテープを貼ったりしていた。今の学生は、そんなことをした経験はないだろう。全てコンピュータがやってくれる。3Dプリンターもあるし、レーザーカッターもあるから、模型作りも様変わりしつつある。しかし、便利になった分、気付かないうちに失う能力もあるだろう。中でも、こんなお遊びに無心になることや、皆で同じことをして楽しむ“力”を失ってしまってはダメだ。おもちゃづくりは、「あー、最近、確かにそんな力を衰退させているなぁ」と思わせてくれるからよい。

文責:前田(工房研究員20131203)