3羽のちゃーぼうを主人公にした絵本の文を創作します。
親子で話し合い、お話を創作し、自分だけの絵本を完成させましょう!
今回の講座は、絵本のストーリー作りのワークショップ体験であった。既刊の絵本「ちゃ
いろにわとりのちゃーぼう」の原画をカードにしたもの(26 場面)を用い、これを自由に並
び替えて、原作とは異なる独自の物語を創るもの。本講座としては、今回はじめて親子を
対象にし、小学校2年生から5年生までの児童5人とその父母、合わせて5組の参加があ
った。ユニークな話が5つ生まれ、最後に紙芝居風に発表した。子どもの自由な発想には
驚かされ、目を細めることが多かった。
研究としては、コミュニケーションや協同学習の手法の実験を兼ねたワークショップで
あった。原画カードを並べながら絵に触発されてストーリーを考えるのであるが、発想を
膨らませアイデアが出やすくなるよう、事前作業にひと工夫した。まず、親子で、主人公
の茶色のにわとり3羽の住所、間柄、好きなものなどを自由に書き出し、次いで犬や白い
にわとり、車の男性、洗濯物干し中の女性についても、自由に役柄を設定した。こうする
ことで、親子で対話しながら話を発展させていく際の視座が定まる。例えば、車の男性と
洗濯物干し中の女性が夫婦でケンカしているという設定の場合、3羽のにわとりが夫婦を
仲直りさせる、というストーリーが思い浮かぶ。
今回は、親子2人組でのみ作業したが、前段の役柄設定作業の後、2~3組の親子で1グループをつくり、グループで話し合いながら1案を創作するようにすれば、発想の相互触発の機会が増えるだろう。また、他人のアイデアを尊重し、取捨選択しながら合意を図る訓練にもなるだろう。中学生同士であれば、十分のそのワークショップができそうだ。対話が不得手と言われる大学生にも、これを試してみたい。
文責:前田(工房研究員 20130713)