“電子の紙”、商品化へ
【熊大記事】 |
2001年10月19日 11:59 PM 更新 |
熊本大学工学部は今月22日、超薄膜液晶技術を元に電子の紙、商品名 W.A.P.(Wafery Appliance Paper、以下WA紙)を商品化した。
これはかねてより開発が行われていた電子ペーパーの一種で、同大学の超薄膜作製技術を応用し完成したもの。今回発売されたのはA4版とB4版のWA紙で、今後さまざまなサイズのWA紙が発売される予定。
ここ近年資源問題が強く叫ばれる中、紙の原料となる木材パルプの大量消費は時代と大きく逆行するものであった。わが国では古紙回収などにより紙の有効利用を行っていたが、根本的な解決策として電気的に内容を書き換えることのできる電子ペーパーの開発が急がれていた。
WA紙の大きな特徴として数十万回の書き込み、書き換えに耐えられる他、入力方法として従来のスタイラスペンの他に音声入出力も備え、基本的な言語翻訳機能も搭載されるという。この機能により異国間の交流(同時通訳会話、同時通訳筆談)が可能となり、耳や目の不自由な方へのバリアフリー商品としての期待も高い。また、WA紙の収納時には、人工衛星などの太陽電池アレイ展開収納にも応用されているミウラ折りを採用することで、A4版、B4版ともにポケットに収まるサイズにまでコンパクト化することが可能。
今後発売予定のGPSユニットを搭載することでナビゲーション付き電子地図としての機能を持たせることができるため、これまでのように分厚い地図をくるくる回しながら凝視することもなくなりそうだ。各種メモリーカードにも対応し、電子新聞、電子雑誌としての普及も見込まれている。(記事:Y、H)
(October 19, 2001 23:59 PM JST)
>>戻る
|