電力業界に衝撃、太陽電池ペンキ実用化へ
【熊大記事】 |
2001年10月19日 11:59 PM 更新 |
熊本大学工学部は今月22日、太陽光発電を可能とする塗料を開発、実用化へ向けてのフィールドテストが行われることとなった。
これは熊本大学工学部の「もの・クリ・コンテスト」に向けて開発が進められていたもので、同大学で発表された半導体溶液の技術を応用したもの。通常の太陽電池はp型、n型と呼ばれる異なる性質を持つ半導体を重ね合わせたものであるが、従来の太陽電池は非常に高価なp型、n型の半導体の結晶を用いねばならず、コスト面で太陽電池の大面積化、ひいては太陽電池普及を阻害する大きな要因となっていた。
今回発表された方法は、平板上にp型半導体溶液を塗布、安定化させた後その上からさらにn型半導体溶液を塗布し、コーティング剤で補強、固定するというもの。この方法だと塗布するための平面さえあればいくらでも大面積化が可能で、また作製法も基本的に塗布を行うだけであり工業応用上非常に簡単な方法であるという。
熊本大学工学部は、この方法を用いて作製された太陽電池の性能について現段階では従来の結晶型太陽電池にくらべ約8割の発電量であるが、太陽電池パネルの大面積化による発電量増加分でカバーでき、またさらなる作製技術の進歩によりいずれは従来型よりも高効率に電力を発電できるようになる可能性もあると述べている。
この“太陽電池ペンキ”とでも言うべき技術の発表は、電力業界に大きな波紋を投じ、わが国をはじめ多くの電力会社が独自開発、また同大学への共同研究の申請を開始した。
フィールドテストが終了し実用化が進めば、どの家庭の屋根にも必ず太陽電気ペンキが一面に塗られる日が来るのだろうか。(記事:Y、T)
(October 19, 2001 23:59 PM JST)
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