活動

第68回学習会(平成23年6月29日)

コンパクトシティとまちなか活性化を考える:筑波大学システム情報工学科 谷口守教授

    5月の「まちづくり学習会」は、筑波大学システム情報工学科教授谷口守氏による講話で 、テーマは「コンパクトシティとまちなか活性化を考える」。    コンパクトシティの名称は広く使われるようになった。市電整備と連動した富山市、除雪コスト抑制の青森市も有名だ。 でも、コンパクトシティの定義っていったいなんだろう。    定義できないものの実現を目指すことはできない。で、今日の学習会では、その定義を考えた。    都心に高層ビルやアパートが林立すればコンパクトシティかというと、それは違う。 野生動植物の生息域をできるだけ広く残すために人間のエリアを狭める、というのは生態系からの発想。人と人との触れ合いの密度を高めた空間をつくる、 というのは建築の人的発想。公共交通が充実し都心部が賑わっていればコンパクトシティの優等生という雰囲気もなくもない。 「人口密度が高く、交通環境負荷(自動車利用によるCO2発生量)が低いまち」という定義は、数値化して捉えやすい。 この定義によれば、米国型・都心部高層ビル林立・超車依存都市はコンパクトシティの対極にある。でも、この定義だと逆に、 木造家屋密集地で車を持たない高齢者の多い地区がコンパクトでよいまちとなる。
   また、居住域と人口密度が不変でも、住民の車保有台数が高まり、ちょっとタバコを買いに行くにも車に乗るような生活を皆がするようになれば、コンパクトでなくなる。 ・・・・そもそも、人口100万人を超えてしまったような大都市を、例えば福岡市とか大阪市を地図上の自治体境界線の単位で取り出し、 それでもってコンパクトシティ(コンパクト自治体)と言えるかどうか議論する話ではなさそうだ。
   熊本市もでかくなった。・・・・女の人の化粧道具で、パカっと蓋が開くやつがあるが、どうしてもあれを思い出してしまう。

文責:前田(工房研究員20110519) 

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