活動

第66回学習会(平成23年3月18日)

植物を用いた都市の環境保全への取り組み:東海大学九州キャンパス農学部 長野克也教授

 野生の植物は住みかを移動する

   3月の「まちづくり学習会」は、東海大学九州キャンパス農学部長野克也教授による「植物を用いた都市環境保全の取り組み」のお話。
その植物とは、ミズゴケ。コチョウランの鉢植えで、根に巻いてあるあのコケ。これを米に変わる作物として普及し、水田に水を張ることでついでに地下水涵養を進めようというアイデア。 先生は、その人工栽培技術の特許を持っておられる。ミズゴケはランの栽培には不可欠で、100%輸入。世界中でミズゴケの枯渇が懸念されており、 国産のものは絶滅危惧Ⅰ類指定で、採取するのも販売するのもご法度。
自然界では、ミズゴケは雨水などが流れ込む低地に自生する。 しかし、その場所はやがて土砂で埋まるので、ミズゴケは水のある場所に次々に移動して繁茂する。 ただし、今は、道路や町で自然環境が分断されているので、移動はできない。
だから、今ミズゴケが自生している場所があれば、それはおそらく最後の自生場所ということになる。ミズゴケは、植物の中では特殊な細胞の構造をしていて、細胞の間に空間があり、 そこに自分に必要な菌を選択的に取り込んで生きている。ちょうど人間の腸に善玉菌が住んでいるようなものらしい。で、病害虫に強いらしい。
結構儲かる作物かもしれない。休耕田を5反ばかり買おうかしら・・。

文責:前田(工房研究員20110319) 


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