活動

第149回学習会(令和元年7月25日)

ご存知ですか?我が国で最も先進的な熊本市の公共交通政策を!
話題提供:溝上 章志(まちなか工房代表)

 

 今回の学習会ははじめての参加の方も含め16人(工房関係者、学生を除く)と,いつもよりやや多い人数であった。

◆何が先進的なの?
MaaS(Mobility as a Serrvice)=運営主体を問わす情報通信技術を活用することにより自家用車以外の全ての交通手段による移動を1つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ新たな『移動』の概念。
MaaS を視野に入れた「熊本市公共交通協議会」の設置によるバス網の再編。
「熊本市公共交通基本条例」を制定し、公共交通空白地域を解消するためにゆうゆうバス、それがうまくいかなかったら乗合タクシーなどの試行錯誤(条例があるのでやめるわけにはいかない)。
小さな成果だが異なるバス会社の統合バス路線図と共通時刻表。また、他地域から持ち込まれた来訪者の IC カードが全て使える熊本のバス・市電(意外とこれは他都市では実現していない)。
◆Q. 公共交通網の再編で幹線になるのは?
A. 市電があるところは市電だが、ないところはBRTタイプのバス、なのだが専用レーンが必要なので、実現できる道路は限られる。産業道路は可能。
◆Q. 路線バスと交通渋滞の関係は?
A. 熊本都市圏の場合、信号制御による渋滞解消への対応策はほぼやりつくされている。クルマ(マイカー)に勝つような便利な公共交通サービスを実現することが渋滞解消のカギ。ウーバーにも期待したいが、現行の法規制上すぐには実現しないのでまずはタクシーで進めることになるだろう。
◆Q. 「最も先進的」を具体化する方策は?
A. 公共交通協議会の議論の中でバス会社 4 社が協働してすきまのないサービス改善をしていくこと。特に、交通弱者への対応など西鉄がほぼ独占している福岡都市圏では(不採算路線は切り捨てざるを得ないので)実現困難。岡山のリョウビ社長も熊本都市圏の取組みには注目されていた。

文責:冨士川一裕(工房研究員)

【参照リンク】
学習会チラシ(PDF)

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