活動

第133回学習会(平成30年1月18日)

熊本城の被害と復旧への取り組み
話題提供:古賀 丈晴 氏 (熊本市経済観光局 熊本城総合事務所 技術主幹)

 

今月の学習会は熊本市経済観光局熊本城総合事務所技術主幹・古賀丈晴さんに「熊本城の被害と復旧への取り組み」についてお話を聞き、意見交換を行いました。

1.古賀さん講演
  (1)復旧基本方針
  明治 22 年熊本地震(マグニチュード 6.3)と平成 28 年熊本地震(同 6.5(前震)&7.3(本震))の比較
  被害状況
・宇土櫓をはじめとする重要文化財13棟すべてが被災
・天守閣の被災
・飯田丸五階櫓等の復元建造物(全 20 棟)の被災
・石垣の崩落・損壊被害約 23,600 ㎡(全体の約3割)
  復旧基本方針
1) 被災した石垣・建造物等の保全
2) 復興のシンボルである「天守閣」の早期復旧
3) 石垣・建造物等の文化財的価値保全と計画的復旧
4) 復旧過程の段階的公開と活用
5) 最新技術も活用した安全対策の検討
6) 100 年先を見据えた復元への礎づくり
            →「熊本城復旧基本計画」30年3月策定予定
(2)復旧工事の見学路計画  
  天守閣の展示方針
・障がい者・高齢者等専用エレベーターの設置
・従来の「加藤時代」「細川時彩」「西南戦争」に加え「明治 22年熊本地震」「明治~昭和の軍施設時代」「昭和 35年天守閣再建」「平成28年熊本地震」も新たに紹介
・湧々座との棲み分け
  平成30 年度二の丸御門仮開通
  平成 31 年度(2019)二の丸広場→西大手門→加藤神社ルートの開通/★城彩苑→奉行丸下→西櫓御門→空中回廊→本丸広場の見学路の設置

2.質疑・意見交換 (Q.:質問・提案、A.:回答・意見)
  Q. 復元建造物と重要文化財とでは復旧工事の技法が異なるのか?
  A. 議論の最中だが、いずれも建物を全部解体して復旧する場合が多くなりそう
Q. 文化財保存と耐震性の確保のせめぎあいが大変のようだが、基本コンセプトは?
  A. 危険性の除去を優先で考えている。文化財の保護との両立を議論し結果を残していく。
Q. 長塀修復の考え方と時期は?
  A. 地震だけでなく台風対策も必要。石垣と建造物の関係の調査を深め、景観的に隠れるところでの補強も。平成31年度の完成目標。
Q. 100年スパンで考えたら現在の天守閣ももう一度建替える必要が出てくるが、その際の方法は?
  A. 木造で建替えることも考えられるが、内部仕様に関する資料が乏しいという悩みがある。建築基準法の問題もある。写真と間取り(平面図)については第一級資料があるのだが。


学習会後のワンコインワイン懇親会

文責:冨士川一裕(工房研究員)

【参照リンク】 学習会チラシ(PDF)

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