活動

第117回学習会(平成28年08月31日)

「やさしいヒト・トコ・コト」で、定住人口・交流人口・地域経済循環の中心商店街へ
話題提供:長江 浩史 氏(下通繁栄会事業部長),増山 晃太 氏(まちなか工房特別研究員)

 

 中心商店街では、将来を担う若手組合員が、持続可能な街であることを目標に、平成26年8月に「持続可能な中心商店街検討委員会」を立ち上げ、概ね 10年間継続して実施していくことを念頭に、検討を進めてきた。第 117 回の8月のまちづくり学習会は、この委員会の中心メンバーである下通繁栄会の長江事業部長、熊本商工会議所の松平氏(事務局)、まちなか工房の増山研究員(コーディネーター)から、検討経過を報告していただいた。
商店街を取り巻く環境を、過去、長期的に振り返ると、郊外ショッピングセンターの集積の高まりによって商品サービスの坪効率が半減し、商店街の目標は、モノの豊かさを売ることから、①ライフスタイルの充足(消費)への対応と②社会交流(消費)への対応に軸足を移さざるを得ない状況となっている。アメリカ西海岸オレゴン州のポートランドは、ファーマーズマーケットなどの街なかの魅力ポイントやアウトドアのメッカでもあるという(街と大自然が並存する)「デュアル ライフ」の都市であることや、「ウィアード」という精神風土など、熊本との共通点の多い先進都市である。そのポートランドの研究等も踏まえ、4回の街歩きのワークショップも経て以下のような、目指すべき目標が明らかになってきた。
 ①『市電』をはじめとした街の資産価値、②地域住民と来訪者が共有できる『ストーリー性』、遊歩道』感覚で商業集積の空間的魅力を高め、全体として『やさしい街』を目指すというシナリオである。
これらのコンセプトをもとに、具体的な方向づけの検討に入ろうとしていた矢先に熊本地震に見舞われたが、これまでの検討過程を踏まえて、今後の復興をはかっていきたい。すなわち、「やさしいヒト・トコ・コト」で、定住人口・交流人口・地域経済循環の中心商店街へ、という方向づけである。

※一般には「大人の遊び心」などと訳されているが、ポートランドでの現地聞き取りでは、「変わり者」とか「頑固者」という意味もこめた、「肥後もっこす」に近い意味で使われていた。

※学習会終了後のワンコイン懇親会は好評のうちに続いています

文責:冨士川一裕(工房研究員)

【参照リンク】
学習会チラシ(PDF)

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