活動

第111回学習会(平成27年11月17日)

学生による政策提案
 『再開発を街に組み込む -熊本市中心部(桜町・花畑周辺地区)を対象に-』
話題提供:熊大工学部社会環境工学科3年生 および田中尚人先生、星野裕司先生

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 11月の第111回学習会は熊本大学社会環境工学科学生による政策提案『再開発を街に組み込む-熊本市中心部(桜町・花畑周辺地区)を対象に-』。指導教員は田中尚人、星野裕司の2先生。選りすぐりの5案が発表され、聴衆からは愛のこもった論評をいただいた。  まずは「歩道橋で繋ぐMiceとMachi」の大城・清水組。再開発ビルと新市街を屋根付エスカレータ付の歩道橋でつなぐという提案。聴衆からは早速「今ある地下道を活用し地下街も作るほうが効果的なのでは」という逆提案。
 続いて、市電の又は(OR)利用者をAND利用者へと拡大する「OR.ANDプロジェクト」竹長君の提案。桜町街区に市電を引き込む案など路線の検討を行い現在の電停位置を花畑公園側に寄せるサイドリザベーションをベスト案とした。広場に引き込み線を入れて市電車両をもっと活用してもいいのではという聴衆からの提案もあった。
 三番手は、「熊本馬車観光協会」の段里・橋内組。観光馬車のコースが何案か提案された。聴衆からは、馬糞の処理はどのように?オムニバス(乗合馬車)のような箱型よりもオープンな幌馬車のほうが街との馴染みがよいのでは?街の中のあちこちに馬小屋があってペットとして共同で馬を飼うなどというのも楽しいな、などの意見や提案。
 四つ目は「アーケード屋台街~居酒屋・屋台・はしご酒~」を馬場君から提案。熊本県産材を使った設えや新市街の夜間景観調整、熊本弁の使用など熊本らしい屋台街への意欲的な提案や経済効果の試算もあったが、消防法や保健所の許可など現実の壁について早速のカウンターパンチを受けた。最後は、「“歩きたい”でまちを一つに~森・水・火でつなぐ~」という提案だった。辛島公園でヒアリング調査を行いその結果に基づいて辛島公園・花畑公園・新市街商店街の一体化、新市街の緑化、まち角で(地下水をアピールした)水飲み場を設置するなどの提案があった。
 桜町再開発と城下町のつながりを深める、という視点も会場から提起され、再開発ビルが歴史的に熊本城の正面玄関である新町との間のダムにならないように配慮しながら城下町としての連続性を高めるようなデザイン力を注ぐべし、もっと街に人が住むことが回遊力を強める基本、たとえば国道3号や白川方面に用事をつくる・・・などの指摘や提案があった。最後に指導教員から、授業では①調査→②提案→③リバイス(見直す)というプロセスを経たが、①の調査力にいいものがあったし、伸ばしていきたいという報告があった。


文責:冨士川一裕(工房研究員)

【参照リンク】
学習会チラシ(PDF)

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